2023年4月27日から始まった相続土地国庫帰属制度ですが、制度開始から1年以上が経過しました。ここでは2024年5月20日に法務省が発表した資料(※)から、同制度の利用状況をみていきます。
相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により取得した土地を手放して、国庫に帰属させることを可能とするもので、建物は対象外となります。
国庫に帰属させるためには、法務大臣(法務局)による要件審査・承認が必要となります。
上記資料から2024年4月末時点の申請件数をまとめると、表1のとおりです。
2024年4月30日時点の申請総数は2,030件でした。地目別では田・畑が最も多く771件、次いで宅地が744件でした。田・畑と宅地で申請件数全体の74.7%を占めています。
次に2024年4月末時点の種目別帰属件数をまとめると、表2のとおりです。
帰属件数は341件で、申請件数に占める割合は16.8%となりました。種目別では宅地が148件で最も多く、全体の43.4%を占めました。
そのほか、申請が却下または不承認となったケースもあります。2024年4月末時点では、却下が8件、不承認が12件で、理由は表3のとおりです。また、取り下げ件数は237件となっています。
制度開始から1年間で2,000件を超える申請数があった相続土地国庫帰属制度ですが、土地の処分には、売却する方法もあります。相続土地国庫帰属制度の利用を検討する場合は、司法書士や宅地建物取引士などの専門家へのご相談をお勧めします。
(※)法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」
ここで紹介した数字は、2024年4月30日現在のもので、速報値となります。相続土地国庫帰属制度の詳細は、法務省HP相続土地国庫帰属制度の概要をご確認ください。
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